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刑事とBG

第2章 刑事とBG~後編~



(余計こじらせたか…)


祐司は二人の姿を見送った。


「お前にしちゃ珍しいな」


背後から声をかけられた。


「護先輩…」

「感情的になるなんて。あの、ゆうひちゃんって子が気になるのか?」


護はニヤニヤしながら言った。


「…そんなんじゃないですよ」


祐司はきびすを返して歩き出した。



その頃、圭吾は団蔵が殺された部屋にいた。
周りをぐるりと見渡した後、しゃがんで床に手を付き、ベッドの下を覗き込んだ。


「ん?」


奥の方に白いものが見えた。
手の伸ばし、それを掴む。


「これは…」


それは、薬が入っていたと思われる袋だった。
粉薬だったのだろう、中にはまだ微かに粉が付着していた。


「圭吾、何やってんだ?」


背後から護が声をかける。


「何か見つかったんですか?」


祐司も後に続いて声をかけた。
圭吾は二人に振り返って、クスッと微笑んだ。


「証拠、見つかりましたよ」

「マジか!」


2人は驚いた。
圭吾は薬が入っていた袋を2人に見せる。


「青酸カリ?」

「それは調べてみないとわかりません。斉藤さんに鑑識に回してもらうよう頼みましょう」

「でも道は崖崩れで通れないぞ」

「陸がダメなら空があるでしょう」


圭吾はニコッと笑った。


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