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旅は続くよ

第15章 それでもキミの為に

Aside



A「で、その村尾さんって人に会うの?」

一緒に寝ようよ、って誘いに来たニノの部屋

アンタとはもう寝ないよ、って邪険に言われて

やっぱ告白なんてするんじゃなかったかな~なんて、ちょっと後悔しつつ

グズグズとニノの部屋で話してたら聞いてしまった、翔ちゃんとの話


翔ちゃん頑張ってるんだな…

胸の奥がザワつく感じがする

焦るような気がしないわけじゃない

でも、俺は…


仕事探しで対抗しようなんて思わない

俺にはそんなツテもコネも何も無いもの

むしろ、嫌ならまだ仕事なんてしなくていいと思ってる

傷付いてるなら休めばいいよ

その間、俺が守ってあげる

翔ちゃんとは違う方法だけど

俺だってニノを想ってるんだ


A「嫌なら会わなくていいんじゃない?」

N「いや、別に嫌ってワケじゃないし…」

A「会いたいの?」

N「…まあ、ミーハー根性丸出しで言うとね、会いたいですよ。
有名なカリスマ編集長だもん」

A「ふ~ん…」


ニノが口では四の五の言うくせに

満更でもなさそうなのが気に入らなくて

A「えいっ!」

ドサクサまぎれにニノのベッドに潜り込んだ


N「あっ!お前、勝手にソコ寝んな」

A「いーじゃん。ほら、ニノも寝なよ」

N「何言ってんだよ。自分の部屋で寝ろやっ」

A「なんで?今までだって一緒に寝てたじゃん」


ニノが少しだけ視線を逸らした

まるで目の前の困った事から逃げるように

やっぱ…、告白早まったかな…

でも、放った言葉は取り戻せない

時間も巻き戻せない


A「…俺が『好き』っつったから?」

逃げる視線を捕まえるように覗き込むと

ニノは口を少し尖らせてから

ゆっくりと俺を真っ直ぐ見た


N「…俺、アンタの想い断ったじゃない?」

A「うん」

N「…そんな男と一緒に寝れんの?」

A「寝れるよ」

N「…なんで?」

A「大事な友達だから」


告白したって、フラれたって、変わんない

ニノは大事な友達

ごめんね?

勝手な想いを押し付けて

好きな気持ちは変わらないけど、

今までの関係だって変える気はサラサラ無いんだ


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