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プリンス×プリンセス

第12章 アクシデント

こういう所が姉上の強い所だよな。

さっきまで表情をひきつらせていたのに、微塵もそれを感じさせない笑みを浮かべている。

そして、その言葉も本心からのものだ。

ま、確かに結婚してからゴタゴタに巻き込まれて聞かされるより、ディオから今聞けたってのは良かったのかもな。

そんな姉上に、ディオは小さく息を吐き、笑みを浮かべると

「では戻る」

「はい」

ディオは部屋の扉を開けながら、俺をチラッと見ると

「せいぜい化けてみせろ」

そして、姉上に向けたのとは違う、人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべて出ていった。

「あーっ!!ムカつくムカつく!!」

手でテーブルを打ちならし、苛立ちを抑えようとしたけど、そんなものじゃ収まらない!!

椅子から立ち上がり、姉上の前に立つ。

「姉上!今からでも考え直さないか!?」

「馬鹿な事を言わないの」

クスリと笑われて、俺の意見は一蹴された。

「シルフィ、手伝ってくれる?」

「はい、ティアナ様」

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