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プリンス×プリンセス

第15章 一曲、いかがですか?

「テリオス!!お前という奴は…!」

俺を見た兄上の第一声がこれだった。

「ごめん、ごめんって!」

「仕方がありませんよ。具合が悪かったのですから」

「そんなものは気合いでどうにかするものでしょう?姉の結婚式ですよ!?」

やんわりと止めた母上に兄上がため息を付きながら話す。

そうだよな。

姉上の結婚式に参列しない理由が「腹痛」って…子供かよ!?

いい大人なら我慢してでも参列するよな…。

「テリオス、体調はどうですか?」

「はい、今は大丈夫です」

「その代わり、ティアナが足を痛めたけど」

兄上は席についた姉上を見て、それから俺を見て眉を寄せた。

「同じ日に二人とも不運に見舞われるとはな。こんな日に結婚式だなんて…」

「祝いの日だ。口を慎みなさい」

今まで黙っていた国王が、兄上を一喝した。

「…申し訳ありません…」

兄上は項垂れて、見てからにショボくれてしまった。

確かに、双子が二人とも不調を来たしてるんだ。

こんな日なのにな。

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