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プリンス×プリンセス

第35章 噴水の前での約束

「じゃあ…座りますか?」

立ち話も何だし、俺達は休憩用のベンチに腰掛けた。

ベンチの正面には噴水があった。

さざ波が立つ程度の水量の噴水は、シャワシャワと音を立てている。

時折吹く柔らかな風と共に、穏やかな時間を演出しているようだ。

さて、と。

話って…何を話せばいいんだ!?

「え…と。改めてですが、お誕生日おめでとうございます」

「ありがとうございます」

にこやかに返されて、会話が止まってしまった。

あと…何を話す?

「誕生日パーティーは…毎年されているんですか?」

「え?」

シエンタ王女は目をパチクリさせた。

しまった!想定外の質問だったか!?

「あ、そうですよね。普通、誕生日は毎年祝いますよね」

急いで自分の質問を打ち消して、乾いた笑い声を上げる。

毎年やってるパーティーに、何で今年だけ招待されたんだ?

それを聞きたいのに…

シエンタ王女は俺を見て、クスッと小さく笑った。

「いつもは内輪での誕生会なんです」

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