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プリンス×プリンセス

第5章 薔薇が好きだから

俺の話に、姉上は驚いた。

「テリオス?」

「規模は小さいんだけど、頑張ってみるよ」

ウインクしてみせると、姉上が心配そうな顔になった。

「テリオス…無理はしないでね」

「へ?何で?」

「私のレッスンに付き合ったり…夜は剣の稽古もしてるんでしょ?」

「あ、バレてた?」

おどけて答えたけど、姉上の表情は暗いままで…。

姉上の目を見て、にこっと笑うと

「だって俺は姉上の警護をするために来たんだから」

そう言って安心させようとしたのに、姉上は首を振ると

「それだけでも忙しいのに、無理に花壇を作ることはないのよ?」

姉上を心配させたい訳じゃないけど…

「いや、やるよ」

俺の決意に、姉上は悲しげな顔になった。

「そんな顔をしないで。姉上の喜ぶ顔を見たいってのもあるけど…」

俺の頭には、アイツの顔が浮かんでいる。

「一番の目的は、金を出せば何でも手に入るって考えが間違ってるってのを、あのイヤミ王子に分からせてやりたいんだ」

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