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プリンス×プリンセス

第10章 下準備

翌日。

新聞を見た姉上がまず呟いたのは

「いい写真ね」

その写真とは、俺とディオチェスター王子が顔を見合わせている瞬間で…

「お似合い、ですって。良かったわね」

写真だけ見たら、見つめあって笑ってるようにも見える。

「テリオス、ありがとう」

そう言われても。

どう返したらいいのか、返答に困ってしまう。

「それに、会見の後の話も聞いたわ」

ギクッとして、姉上を窺った。

あえて姉上には話してなかったのに!!

「シルフィがメイド仲間から聞いたらしいの。倒れた『私』をディオチェスター様が助けてくれたんですってね」

新聞から目を離して、横目でちらりと俺を見ると、唇に笑みを浮かべて言った。

「人工呼吸をして」

「あ…あれは!!」

色々な事情があってそうなってしまった…って言うか。

俺は被害者なんだけど!!

熱くなった顔を隠すと、姉上は明るい声で楽しそうに語った。

「メイドの子達、とっても素敵だったって話してたそうよ?」

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