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プリンス×プリンセス

第67章 懐かしき異郷

そう言ってマックスに笑顔を向けた。

社会貢献と言えば言葉の響きはいいんだけど。

「それならばボランティアにならないの?」

姉上の問いに、グレイスはゆっくりと首を振った。

「ボランティアでは学生が手を抜いていても、注意がしにくいものです」

まぁ…確かに。

中には自分の意にそぐわない仕事をしなければならないこともあるだろう。

いやいや業務にあたるなんて生徒もいるかもしれない。

「アルバイトなら、例え低賃金にしても金銭が絡む以上、雇い主も丁寧に指導をします。結果、労働力として安定します」

「それもグレイスの発案か?」

質問なんだけど、そうなんだろうと確信めいた声音でディオに聞かれ、グレイスは目を輝かせた。

「はい。雇用主からも高評価を獲ました」

するとディオは顎に手を当てて何やら思案すると、ユーノスへ話を振った。

「高等科の生徒から不満は出なかったのか?」

「え、っと…同級生の中からは特には」

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