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第8章 開国港の休日

金曜日は仕事が終わってから会社の人と街を歩いて 少し飲んだ。

祭のメインは土日であり金曜は前夜祭的なカンジだ。金曜日のメインイベントは花火であるが、花火が始まる前にたぬ吉は仲間たちとさよならした。

といっても帰るわけではなく、ラブラブになったバツ2で子持ちのお姉さまがやっている店に顔を出す。

花火大会がある夜だから店は忙しい。

「花火でも行けばよかったのに」
「あなたたちと一緒じゃなきゃつまんないし、ボクにはこっちの華の方がいいから」
「きゃはは、相変わらずお上手」
「娘は?」
「たぬちゃん来るの遅いからお姉ちゃんに頼んで花火連れてってもらった」
「そっか、残念」

そういえば、この人には姉がいたんだ。美人だけどキツイからたぬ吉は少し苦手だった。
結婚して娘もいるんだけど、あんなキツくちゃダンナさんも苦労するよな・・・

少し飲んで帰ろうとしたのだが、花火大会終わったら客も引けて暇になるからいっぱい飲もうと引き止められる。

いっぱいじゃなくておっぱい飲みたいといつものオヤジギャグにカノジョはきゃははと笑う。

花火大会が終わり、姉さんが娘を連れて帰ってきた。

「よう、たぬ吉、一緒に飲もう」
姉さんは少し酔ってるみたいで上機嫌。それにしてもいきなり呼び捨てでビールを要求してくるとは、やっぱりちょっと苦手・・美人だけどね

娘は買ってもらった玩具を嬉しそうに見せる。
「たぬちゃん来るの遅いから置いてっちゃったよ」
「ゴメンね~」

「仲良いね~。このままここに住み着いて娘の父親になればいいのに」
と、たぬ吉と娘がじゃれる様子を見て姉がツッコむ。そうしたいんだけどねとたぬ吉は思う。

花火大会が終わるとぷっつりと人がいなくなる。
姉も入っての飲み会は延々と続く。

「娘、おねむみたいだよ」
小さい娘には遅い時間だ。花火大会の疲れもあるのだろう。娘はうとうとする。バツ2さんは毛布を持ってきて娘を寝かしつけようとする。

「やだ、まだ寝ないもん。たぬちゃんと遊ぶ」
「大丈夫だよ、また遊ぼうね。ゆっくりおやすみ」

毛布をかけられてたぬ吉が優しく頭を撫でてあげると娘は幸せそうに眠りに落ちる。
その可愛い寝顔を見ていると、本当にパパになりたくなる。

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