テキストサイズ

恋空予報

第10章 思い出

二宮side




今日はなんの日でしょうか?



…うん。



俺の誕生日。



「和、誕生日おめでとう」

「わあっ!潤くんありがとう」



潤くんから手作りクッキーをもらった。



女子からはお菓子、櫻井も文房具をくれた。



え?相葉?



…くれなかったよ。



忘れてる、て言うか、
教えてないもん。



夏の大会に向けて頑張ってる
相葉の邪魔をしたくないんだ。



潤くんだって櫻井だって
すごく頑張ってる。



相葉だって。



そんな相葉の邪魔をしたら悪い。



「ニノちゃん、なんで教えてくれなかったのさ…」

「…ごめん」



今ここね。



相葉と喧嘩したっぽい。



「相葉の邪魔をしたくなかったから…」

「邪魔なんかじゃないよ!
…なんで、教えてくれないの?」



相葉が震える声で
俺に問い掛ける。



……邪魔をしたくなかった。



これが本心。



でも、言ったって変わんないだろ?



「もう、いいよ!」

「あ、相葉っ…」



相葉の背中に手を伸ばそうとした。



けど、やめた。



…俺が謝っても意味がない。



だって、これは本当のことなんだから…



「…甘い…」



潤くんの作ってくれたクッキーが
優しい甘さで泣けてきた。



あー、もうやだな。



誕生日に喧嘩するとか
どっかの漫画かってーの。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ