テキストサイズ

嫌われ狸の一生

第8章 アルバイト

高校生になったボクはいろんなアルバイトをやった。
求人雑誌を見ることもあったが、気に入った店に飛び込んでアルバイトを申し込むことも多かった。

飛び込むと、アクティブで勢力的に見えてやる気が伝わるのか、使ってもらえることが多かった。

短期バイトお断りとか、高校生はダメとか言われて追い返されることもあったが・・
ビデオ屋さんとか本屋さんはアダルトコーナーもあるから高校生はダメだね。

最初は土曜の午後と日曜といいことで、建設現場を手伝った。ちなみに、当時は普通に土曜日も学校があった。

しかし、バイト料はいいけど建設現場はキツい。
まず音がハンパないから耳が痛い。木材を切ったり、打ち付けたり、時には地面を砕くあの音ですよ。
それに、夏は暑い。死ぬよ。

夏休みに入る頃にはスーパーのバイトを見つけて建設はやめた。あんな過酷な仕事を職業にしている人たちには敬意を表するよ。

このスーパーこそ、初めての恋人であった10歳上のお姉さまと出会えた運命的なバイトだった。
お姉さまとのことは他で書くから・・っていうかいっぱい書いてるよね。

出勤するとまず入荷した野菜や果物を運ぶ。
目茶苦茶重いし重労働だが、パワー勝負なら負けないよ。重労働してもスーパーの中は冷房が効いてるしね。
運んだら洗ったり切ったりして袋に詰めて値札を貼って売り場に出す。
力持ちだし、テキパキやるのでおばちゃんたちにも可愛がってもらえたな。

基本青果売場だったが、力が有り余って惣菜売場や菓子売場の力仕事をすることもあった。

午後はお姉さまがいるレジコーナーの応援に行ったり、品出しや古い品を下げたりといろんなことを言われるがままに右往左往していた。

夏休みにが終わると土曜日の午後と日曜とかいうバイトを探した。

レストランでは皿洗いと掃除をしたが、オーナーに気に入られたのか野菜の盛りつけぐらいはさせてもらえるようになった。
キャベツとかはふんわり盛って少ない量でたくさん盛ってあるように見せるのが大事なんだとか。

レストランとかでいいのは賄い飯を食べさせてもらえることかな。美味い。
学校なんてやめて正社員になればもっといろいろ教えてやるとも言われたが、それは丁重にお断りした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ