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嫌われ狸の一生

第9章 決定

ボクは進路や結婚など人生の重大事項を決定するのに親に相談したことはない。

次々にやったアルバイトだって働きに行くようになってからの事後報告・・事後に話をしただけだ。
自分の人生だから報告なんてする必要はない。

幼い頃からそうやって生きてきたのだ。
両親のことを、こんな人たちに相談しても仕方ないと見限っていたんだろう。

高校行く時に親に言われたのは、公立でなければ無理ということ。いちいち言われなくても分かっているとムカついたりもした。
そう、受験は公立一本。落ちれば働くしかない。

ボクは先生になりたかったのだが、大学に行ける保証はないから商業高校か工業高校にしろとも言われた。

昔は優秀な技術者だった父親は工業に行ってほしかったみたいだが、ボクには技術者の能力はないから商業高校にした。

商業高校だって大学には行ける。
新聞配達をしてその給料から学資を返済する新聞奨学制度。
ボクはそれを狙っていた。

でも、結論的には大学は諦めて先生の道も諦めた。
一日仕事終れば酒を飲む。そんな生活の方がいいなと思ったのだ。

新聞奨学制度なんてやったら遊ぶ時間もカネもないからね。モデルスケジュールなんて見るとよく分かる、

今思うと先生にならなくてよかったかな。
絶対悪いことして、今頃は刑務所だよ(笑)
女子の身体検査に立ち合いたかったのは心残りかな。

お姉さまとの真剣交際も親には一切話していない。結婚が決まった時に話せばいいやと思っていた。
今の妻とのことも結婚が決まってから話したんだよ。

ただ、家から出たいこともあって遠くに就職したかった。でも、お姉さまが10年近くも働いた会社をやめさせることになっても一緒にきてくれるかな?

家からは出るとしてもあまり遠くじゃないところにした方がいいかな・・

真剣に結婚することも考えていたのでお姉さまには進路のことを相談した。

お姉さまはボクと一緒に遠くの街へ行ってもいいと真剣に考えてくれていた。
だから、ご両親に話をしたんだけど、そしたら10歳も下のまだ高校生なんてふざけるなと猛反対をされることになってしまった。

知り合った頃、お姉さまのこれまた年の離れた弟が受験を迎えてたので、勉強を見てあげたこともあるので、ボクのことも知ってはいてくれてたんだけど、まさか真剣交際とは思っていなかっただろう。

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