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【イケメン戦国】ホトトギスが鳴かぬなら(ケータイ小説版)

第1章 ホトトギスが鳴かぬなら

【佐助】

先日、戦国武将たちに、鳴かないホトトギスについて聞いて回ったけど……

信長、秀吉、家康の歌は後生に作られたものであって…
つまりは、本人たちが実際にどうするのかは分かっていない。

本人たちから直接聞いてみたい…
聞いてみたい……
聞いてみたい………

いっそ本人たちに聞いてみようか…
いや、敵陣営にいる俺には少しハードルが高い。

でも、気になる…
気になる……
気になる………

こうなったら、この猿飛佐助、命に変えて……というわけにはいかないけれど、忍びとしてそのハードル飛び越えてみせるっ!

俺は忍びだ。
飛び越えるのは慣れているはずっ!




【信長】

(安土天主の屋根裏に入り込むことはできたけれど、姿を出したら織田信長に警戒されるだけだ。こっそり手紙を置いて、返信を待ってみよう……)


グサッ

「誰だ?そこにいるのは分かっている。」


グサッ
グサッ

ガラガラガラッ


「誰の手先かは知らんが、容赦はせん!」

グサッ


(危ないっ!このままじゃ天井が崩れる!さすがは織田信長、気付かれたか………仕方ない、残念だけど退散するしかない。せめて安土の天主をこの目でよく見てみたかったけれど、このままじゃ逃げ道を絶たれる………)




【秀吉】

(行商姿で豊臣秀吉に接触だ。そろそろ秀吉が城に行くためにここを通る時間なんだけど……あ、来たっ!)

「あの、秀吉さん!」


「何だ、行商か…ってコレ女物ばかりだぞ?何で男に声かけてるんだ?俺にはあげる女の子はいな……ああ、あいつに何か買ってってやるか。」



「ありがとうございます。このホトトギスの飾りなどはいかがでしょう?」
(よし、チャンスだ!)



「ん?お前、よく安土で見かけるよな。そういえば、一緒に行商していた赤い着物のやつ、どっかで見覚えがあるんだよなー………」



(まずい。思い出されたら幸村の素性がバレる!)
「俺、そろそろ市に行く時間ですので、これにて……」


▶▶▶

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