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Face or Body

第63章 清算のはじまり

私は過去の清算を始めた。

その旨を
ダンナこと一平ちゃん…村山には伝えた。
私と双璧のヤミ世界の頂点でもある彼ならば
その事実を告げることで
私が何を言わんとしているか
何をやろうとしているか
およそ見当がつくだろうと思ったからだ。

私は港竜会を潰す悲願を叶えるために
その副産物として
不本意ながら
不肖の息子たちを排出してしまった…。
そして
その不肖の息子たちを救うため
不本意にも私を頼ってきた
表社会のカケルを結果的に
復讐しか視野にない
モンスターにしてしまった…。

私はマサルとジンを
消し去ることにした。
私をオヤジとしたいヒットマンを
買って出てくれる
私を慕うかわいい表社会の住人も
警察機構や法曹界に存在するのだ…。

そして
私は…
すでにカケルとも縁を切った。

ヒカルの母を事故に見せかけて殺めた時点で
私は決意した。
カケルも今では
不肖の息子のひとりになったのだ…
マサルやジンとともに……。

山縣は
カケルの復讐をも強制終了する決断をくだし
横浜海浜組の本社ビル社長室から
ベイエリアを眺め下ろした。

それにしても…
巻町光…
彼女のまっすぐな正義は
しなやかでぶれない…。

私や一平よりも
ヒカルにはこのベイエリアをまとめる
鋼の強さではない
しなやかな強さがある…。

そんなことも感じつつ
数ヵ月前の
ヒカルとの会話を山縣は思い出していた。

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