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Face or Body

第64章 数ヶ月ののち…

『それは本当のことですか?』

村山とサクラコは
声を揃えて
カケルの弁護士をつとめた
川路哲也【カワジ テツヤ】からの証言に
衝撃を受けた。

川路は人権派の弁護士で有名である。
事件発生当時
痴漢行為だけでなく
連続婦女暴行の余罪まで追及され
裁判にかけられたカケルには
絶対に犯人ではない根拠があり
それを川路には伝えていたのだ。

カケルは同性愛者。

その事実は
カケルから一切伏せてほしいと
言われていた川路であった。

カケルはかたくなに
のちに自殺した母にだけは
それを知られなくはなかったらしい…。

『しかし、なぜかDNA鑑定までカケルのものになっていてね…。おそらくは… …私たちには想像つかないくらいの影の圧力でカケルは犯人に仕立てあげられたのでしょうね…』
川路はそう
村山とサクラコに答えた。

村山は
山縣なら…
真犯人をかばうためDNAサンプルを
すりかえることなど
朝飯前だと実感した…。
闇世界の頂点に君臨するなら
当然警察機構の頂点に存在する官僚など
赤子の手を捻るごとく
簡単に動かせることを
村山自身も知っているからだ…。

川路の弁護士事務所をあとにした
村山とサクラコは確信した。
まだ
ヒカルはアキラのもとには戻っていない。
あのヒカルこそが
なんらかの理由でアキラに
同性愛の感情をロックオンして
思いを遂げたカケルに他ならないと…!!

ということは…
本物のヒカルは今どこにいる?
村山とサクラコは
ヒカルに思いを馳せた…。

まずはこの事実を
アキラに話すべきではないか?
村山とサクラコは
川島交番へと向かった…。

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