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泣かぬ鼠が身を焦がす

第12章 盲目


いつものような朝

隣に寝てたはずの杉田さんは多分仕事でいないけど、それも別に珍しくはない

外で鳥が鳴いてて
朝日は眩しくて


違うのは、俺と杉田さんとの関係
なんて

こんなこと考えるなんて
俺も随分馬鹿になったな


「ノラ〜朝ごはーん」
「おはよー茜さん!」
「おはよぉ」


ほんの少しの違いだけで茜さんへの返事もこんな浮かれた感じになるんだから、本当にやばい


「機嫌いいねぇ、ノラ」
「えっへへ、わかる?」
「昨日のお出かけ楽しかったの?」
「すげー楽しかったよ!」
「そっか」


良かったねぇ、と茜さんに頭を撫でられて、普段ならやめてって拒むとこかもだけど何となくそのままにする


茜さんも機嫌いいのかな?


「じゃ、私今日は朝から会議だからまたね」
「そうなんだ。いってらっしゃい。頑張って!」
「ありがとー」


朝から会議……
だから杉田さんいなかったのかな?


茜さんが出て行くと、すぐに伊藤さんが入ってきた


「おはようございますーー」


そこから淡々と話し始める伊藤さんもなんだか慌ただしそうな話し方で、本当に忙しいんだなってわかる


今日は杉田さんほとんど会社いねーんだ
昨日言ってた急ぎの仕事?と関係あんのかな

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