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泣かぬ鼠が身を焦がす

第3章 枕


「では、失礼致します」と言って出て行った伊藤さんを追うように扉を眺める


抱き枕、いつ届くかな
なるべく早い方がいいんだけど

熟睡出来ないからか、いくら寝ても眠いんだよね


「布団じゃ丸めてもなんか物足りないんだよなぁ」
「おはようございます!朝ごはんですよ〜」
「おはよー茜さん」


伊藤さんが出て行った後すぐに茜さんがやってきて、少し喋りながら朝ごはんを食べた

その後やることない、とだらだら昼寝をして、俺の1日は終わり


晩御飯のハンバーグ超美味しかったなー


「ふぁ……」


やっぱり、これだけ寝てもまだ眠い


次第に目蓋が重くなってきて

誘われるがまま、俺の意識は睡眠の中に落ちた



目が覚めると、部屋が月明かりでぼんやりと照らされていた

青白い光に浮かび上がる高級家具達がなんだか不気味で、俺は抱きしめていた腕に少し力を入れ……




俺、何を抱き締めてんの?


そろ、と視線を上に向ける


「!?!?!?」


いつの間にか当然のように抱き締めていたもの
それは


杉田さん!?


すやすやと寝息を立てる杉田さんはどこぞの俳優かと見間違うほどに美しい寝顔をしてる

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