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泣かぬ鼠が身を焦がす

第18章 遠くなれば薄くなる?


運転手さんに電話して来てもらって、俺は会社に戻った

通りかかった社長室には今日も拓真さんはいない


今日の予定、外多かったっけ
でも最後は会社にいたような気がする

夢見すぎなのかもしれないけど、12時にちゃんとおめでとう言いたいな


プレゼント、茜さんに内容が負けてるかもしれないからこそ渡す順番くらいは勝ちたい


変な気合いと共にプレゼントを隠して、深夜まで起きるためのお昼寝をした


目が覚めると大体いつも拓真さんが帰ってくる時間


「ふぁ……」


俺すげー
体内時計正確すぎか


まだかな、とベッドの上で転がっていると、ノックと共に扉が開いた


「!!」
「失礼致します。ご夕食をお持ち致しました」
「あ……はい、ありがとうございます……」


入ってきたのは拓真さんじゃなくて知らない社員の人


いや、ノックしたんだから拓真さんじゃないのはわかってたんだけど
なんつーの? ほら、緊張感でさ


変な言い訳をしつつ、テーブルにある夕食を無視してごろごろを再会



それから、誰も来ないまま2時間が経った


「…………」


帰ってこない


痺れを切らしてそっと社長室の扉を開けてみるけど、そこにも誰もいない


なんでだろ
こんな時間まで仕事の予定だったっけ?

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