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泣かぬ鼠が身を焦がす

第21章 能ある鷹も身を焦がす(サイドストーリー)


「酔っ払ったかな。お水どうぞ」


私のあまりに情けない返答に、三村様はご自身の手元にあった水を下さいました


「ありがと……ございます」


お水を受け取ってそれを飲み干し、体内のアルコールを薄めようと試みます

が、楽になるどころか私の意識はどんどん遠のき、終いにはまっすぐ座っていることすら難しくなってしまいました


「危ない!」


倒れかけた私の身体を、寸前で三村様が支えてくださいます

それなのに私はお礼を言うこともままなりません


「ちょっと、やばいかな。店出ましょうか」
「すみま、せ……」


三村様が私の異常の度合いが高いことを察して下さり、会計を済ませて外に出ました

私の記憶があるのはここまでで、朦朧とした状態の脚で自分で歩くことが出来たのかも、三村様にどの程度のご迷惑をおかけしたのかも、全く記憶には残っていません



意識が戻った時、私は全く知らない天井を見上げていました


どこでしょうか、ここは
私は何を…………


「!!!」


数秒後に自分の晒した醜態を思い出した私は、三村様に謝罪しなければと考え身体を起こそうとしました

ですが、それは叶いませんでした


頭上で私の手首を縛める手錠によって

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