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泣かぬ鼠が身を焦がす

第23章 毒がある


朝目が覚めて、身体の怠さがないことにテンションが上がった


んーー……
全快!!!!


ぐぐぐ、と伸びをしながら目を開けると、寝てる間抱き締めててくれた拓真さんの顔が目の前にある


「……」


いやいやいや
寝てる相手にキスはいけないよな

まだ俺の中に風邪菌いるかもしれないし


「……」


でも、な


俺の心には昨日の幸福感がしっかり残っていて、発散したくてうずうずしている


「……」


寝息を立てる拓真さんの顔を指でつついてみる


……反応なし

背中を軽く叩く
……反応なし


いい、かな
少しぐらい


「……」


葛藤の末、触れるだけのキスをした

1秒にも満たないキスなのに、俺の心臓は破裂しそうなほどバクバク脈打ってる


うわ
うわぁぁぁぁ

しなきゃよかった


拓真さんの唇の感触が、頭にがっつり焼き付けられて離れない

もっとちゃんとキスしたい
舌入れたい
唇吸ってほしい
口の中全部舐めてほしい


「ーーーーっ」


俺はそんな欲求に悶えながら布団に戻る

脚をパタパタさせていると、拓真さんが「ん……」と声を漏らしながら動いた


その声色っぽい

やばい
今の俺完全に発情スイッチ入ってる

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