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泣かぬ鼠が身を焦がす

第4章 隠した爪に刺される


「……ん……」
「!」


俺がまたヤキモキしている間に一瞬で眠りに落ちていた杉田さんが、身じろぎする度に腕に力が入ってぎゅ、と抱きしめられる

それに毎回俺の身体がビクッと揺れた


あーっ!! もう!!!
やだこれ!!!

これを今後毎日すんの?
無理!!!!!


ちょっと身体を離すと俺の身体に巻きついた腕に力が入ってまた近づく

これの繰り返しで、俺のドキドキは一向に収まらない


「はぁ……」


もう
あきらめよ

どうにか慣れよう
つーか寝よう


赤ちゃんの気持ちになって、この杉田さんの穏やかな寝息と鼓動を子守唄に眠るんだ!


ってそんな経験ねー
でも、やるしかない


これまで離れようとしていたのから、逆に杉田さんの胸に耳を寄せる


あ……
朝と一緒だ
あったかい

寝れそう、かも


「ふぁ……」



とくん、とくん

という規則正しい音が耳に聞こえる中で、俺の思考は少しずつ鈍っていき

あれだけ眠れないと思っていたのに
目を閉じてそんなに時間も経たないうちに俺は軽々と睡魔に意識を手渡した





「…………」


眠ってから、杉田さんが俺の頭を撫でていたなんて
もちろん知るわけがなかった

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