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「……っとと……」


歩き出そうとすると、地面が揺れたように感じた

頭がぐらぐらしたわけじゃなくて、膝がガクガク笑ってる


やっぱり、身体の疲労が出たか


「くそ」


でも、こんなところで倒れていたら誰かに通報されてすぐに連れ戻されてしまう

それだけは避けなきゃいけない

俺は震える自分の脚に鞭打ってゆっくりと夜の町へと脚を踏み出した



裸足で歩くコンクリートは靴下越しにもゴツゴツして少し痛い


「痛っ」


それに、たまに尖ったところがあったりして俺の足に刺すような痛みが走ることもあった


血は出てない、けど
結構痛いな


それでも俺は拓真さんの自宅の方へと足を進める

なんで会社に行かないかって、そりゃオフィス街にボロッボロの格好した俺が歩いてたら通報されかねないからだよ


少しはこのへんで生活していたこともあって、道に迷うことはない

けど普通は歩いて行けるような距離じゃないから、どれぐらいの時間がかかるかはわからない


一晩中歩けば朝には着くかな


多忙な拓真さんが家にいるかは正直勝率の低い賭けだ

それでも今の俺にはその低い確率に縋るしかない


拓真さん、お願い
帰ってきてて