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泣かぬ鼠が身を焦がす

第27章 苦あれば


「……」


なんとなく俺も一緒に黙る


よく考えてみたら、俺目が覚めてからまともに拓真さんと話してないや


……でもなんで、そんな顔するんだろ

もしかして、喜んでない……?


今までずっと考えないでいた、拓真さんが俺のことを厄介に思って追い出したんじゃないかって可能性


本当にそうだったってこと?


「……」


なんか言って
なんで黙ってままなの


「……」
「……」


長い間沈黙が流れる


先に口を開いたのは拓真さんだった

けど


「……渡しておいた携帯電話は、壊れたのか?」


してきた質問は、なんでかこんな質問


「……ううん。いつの間にか持ってかれちゃって、取り戻せなかった」
「そうか……」


こんな時に携帯の心配って……
何か、俺が知らないだけで失くされたら困るものだったのかな

謝った方がいいかな


俺が謝罪しようと口を開くと、それより先に拓真さんから次の質問がされた


「カメラは、部屋に設置されていたか?」
「?」


カメラ?


「……されてない、と思うけど」
「…………そうか……」
「……」
「……」


俺の答えをを聞くと拓真さんはまた黙り込んだ

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