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泣かぬ鼠が身を焦がす

第29章 黒白を


けど俺は至れり尽くせりな状況を楽しんで、俺は頭も身体も全部拓真さんに洗ってもらった

湯船に入るにもいちいち手を借りながら入れてもらって気分は完全に王様


しかし眠い


「湯船の中で寝るな。危ない」
「んー……? んー……」


拓真さんが自分の身体を洗いながら注意してくるけど、俺の耳にはいまいち入ってこない

ぼーっとしてる間に意識は飛んでいって
俺はいつの間にやら夢の中に落ちた



朝起きると俺はちゃんとベッドの中、というより拓真さんの腕の中にいた


あれ、俺
死んでないや、よかった


なんて朝の寝ぼけた頭で考えていると、拓真さんも目を開く


「おはよ」
「おはよう。体調は?」


起き抜けに俺の心配をしてくれて、ちょっとだけ嬉しい


「全然」


大丈夫、と答えると拓真さんの顔が緩んだ


「そうか。なら起きるぞ。純に説明しなければいけないことがたくさんあるんだ」


その後すぐに起こされて朝食を食べると、その「説明」はすぐに始まった

具体的には俺が昨日意味わかんないって言ってた法律関係の話

結局は俺があの人たちから子供としての扱いを受けていなかったことを証言できればいいみたい


簡単、じゃない?

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