テキストサイズ

(旧)短編☆中編小説集

第12章 素直になれなくて

それからもあいつの行動・仕草・言葉なんかを。

何かと気にしている自分がいてよ。



横「太輔、このあと空いてる」

藤「特に用事はないけど」

横「付き合って欲しい所があるんだ」

藤「いいよ」



誰にでも好かれる藤ヶ谷。

コンサートの最中なんかも横尾さんとイチャついてたかと思ったら。

タマにジャレついたり。

次には千賀・ニカ・宮田と飛び交って。

あっちにこっちによくまぁフラフラと行きやがる。

だが俺の所には来ない。

なんでだろ?なーんて思った事はなかったが。

今はそれすらも気になってしまい、おかしいよな…



藤「あっちぃー」

千「この暑さ堪らない」

ニ「ガヤ乳首が立ってる 」

藤「触るなバカ」

ニ「あははっ」

千「俺のも触って」

ニ「やだね」

千「なんでさ」

ニ「ガヤのがいいんだもん」

藤「はっ?触り賃とるぞ」

ニ「金とんのかよ」

千「俺は取らない」



男同士のアホなふざけ合い



玉「ガヤこっちへ避難して来れば」

宮「二階堂、狼の眼をしてるからヤバいかもしれないよ」



いつもは聞き流していた事でさえ、なんだかカチンときてしまう。



横「ミツ、なに苛々してるの」

北「別に」

横「飲みにでも行く」

北「俺じゃなく、藤ヶ谷を誘えば」

横「3人で行くとしよ」

北「お邪魔虫になるから、行かね」



今の俺かわいくない、でもいいんだ。

どうせ藤ヶ谷は気にも留めてないんだろうし。

その夜、俺は独りで繁華街へ出かけた。

フラっと立ち寄った店。

中へ入ると何故だか男ばかりいてよ。

なんで、ここ?



バーテン「お客さん、初めてですね何にします」

北「ビール」

バーテン「申し訳ありません、うちはカクテル専門店なもので」

北「はっ?んなのよく分からないわ」

バーテン「では、適当にお作りしましょう甘いのはお好きですか」

北「いや、あんま」

バーテン「でしたら、控えめにしておきますね」



数分後―



北「うめぇなこれ」

バーテン「当店、お勧めですから」

北「何杯でもいけそ」

バーテン「飲み過ぎると、後で来ますよ」

北「大丈夫だって」



隣の席にサラリーマン風の男が座って来て。



男「兄ちゃん可愛い顔してるね」



なんでこいつ馴れ馴れしい





ストーリーメニュー

TOPTOPへ