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(旧)短編☆中編小説集

第13章 あいつと俺

それはオフの日、郁人たちとショッピングをした帰り道でのこと。



河「あれ?ここ何処」

戸「もしかして迷子」

河「んなわけねぇだろアハハッ…あぁ‥」



完璧、道に迷ったなこいつ



戸「しっかりしろよ、お前が近道を知ってるって言うから俺らは」

河「おっかしいなぁ太輔と来たときはちゃんと行けたのに」



見渡せば住宅街―



戸「ごめん北山」

北「仕方がない、とにかく駅へ行く道を探そ」



どう考えたって、全く違う方向へ来てしまっているのは確かで。

と、そのとき。



河「太輔?」

北「‥‥っ」

河「あれ太輔じゃない」

戸「あっ」



視界の先にあるアパート、その1階の1つである部屋のドアの前で。

可愛らしい女性と、一緒にいるのが見えてよ。



河「間違いね、あいつなにやってるんだあんな所で」

戸「彼女かなんかだったりして、フッ」



ズキン―

どう見ても訳ありって雰囲気がバリバリに漂っていてさ。



河「泣いてるじゃん、あの子」



俺は、自分の目の前で繰り広げられている光景が信じられず。



戸「うわっ、抱きついちゃってるし」

河「ありゃ確実に痴話喧嘩のもつれって感じだな」

北「くっ」



そのうち2人して部屋の中へ入ってしまう。



河「で、エッチして仲直りそんなとこだろ?よくある話し」

戸「ってことは藤ヶ谷って普通の恋愛派だったんだ」

河「いや、あいつはバイだからどっちもOKなはず」

北「えっ」

河「なに、宏光おまえ知らなかったの?」

北「ぁ…あぁ‥そんな話はした事なかったから」

戸「まっ、普通はしないさ」



藤ヶ谷がバイ?





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