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(旧)短編☆中編小説集

第13章 あいつと俺

・藤ヶ谷side

それから、俺達は2人して露天風呂へ向かい。



藤「はっ?今、なんて言った北山」

北「んだから、俺はなんも言ってない」

藤「だって、わたが」



つまりは、ハメられたってわけ?



北「飲みに誘われた事まではあってるけどよ」



元気がない北山を心配したわたが理由を聞いても。

こいつは俺らのことを話さなかったって言うんだ。

ただ…



北「最近、藤ヶ谷としっくりしなくて考え込んでしまってるだけだ、そう言ったら」

藤「俺に任せろって」

北「あぁ」



参ったな、フッ!



藤「で、どうしてスルーするようになったんだ?」



あげく今度は、そう聞くと



北「いいのか」

藤「なにが?」

北「彼女いるんだろ?なのに俺との関係を続けてて」

藤「いないって」

北「嘘つけ、クッ」

藤「ホントだ、別れたって言ったじゃん」

北「俺、見ちまったんだぜお前が」

藤「なっ」



それで、あんな態度を取っていたのか。



北「郁人やトッツーも」

藤「あれは弟の彼女さ」

北「へっ?」

藤「あいつが、しっかりと掴まえていないから彼女の方がフラフラとしてしまって」

北「んじゃ合コンは」

藤「それもあの子が腹いせに行っちまうって言うから連れ戻しに」

北「くっ」



すると見る見るその瞳から涙が溢れ出し。



北「おっ、俺が、どんだけ悩んだか分かってるか」

藤「北山」

北「遊ばれてるんじゃないかって ヒクッ」

藤「そんなわけ」

北「バイだって知ってからは、もっ…うぅ」

藤「‥‥っ」



ズキン―



藤「ごめん悪かった」

北「辛くてどうしようもなくてさ、クッ」



なんてバカなんだ俺。





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