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(旧)短編☆中編小説集

第2章 少年メイド(番外編)

・F.side

僕の家の近くには凄く大きな屋敷がある。

だけどママはそこへは行っちゃダメだって言うんだ。

なんでだろ?



「タイちゃん太輔、どこへ行ったの」



でも、この日。



「結婚式ですって」

「今まではひっそりと暮らしていたのに一体どういう風の吹き回しかしら」



たまたまお家の前で遊んでいたら偶然耳に入って来た言葉に。

ダッ―

自分でもどうしてだか分からないけど、勝手に身体が動いちゃってさ。



藤「あっ、ドタッ」



いっ、痛い!



藤「ふっ、ふぇーん」

男の子「わっ、なんだこいついきなり走って来て転んでやんの」

男の子「わぁーいわぁーい泣き虫やろう」

藤「うっわあぁーっ」



違うもん痛くて涙が出ちゃっただけだい。

けど、そのとき。



北「やめろ!」



まるでヒーローの如くお兄ちゃんが現れ。



北「大丈夫か男がメソメソ泣くんじゃねぇ」



うわあっ、カッコいいなぁ



北「お前、名前なんていうの?」

藤「ヒックッ…たい‥すけ…藤ヶ谷太輔‥グスン」

北「‥‥っ」



名前を言ったら驚いた顔し見つめていた。



北「俺の名前は北山宏光」

藤「北…山‥宏光?」



それに、何故だか懐かしい感じがしてさ。



北「これやるよ、ニコッ」

藤「ありがと、フッ」

北「どこに住んでるんで」

藤「あっちぃーっ」

北「俺も同じ一緒に帰ろ」

藤「うん ニコッ」



ギュッ!

繋いだ手から伝わって来た温もりに胸がキュンと締めつけられる。

不思議、これは一体なに?



藤「ひろおぉーっ」

北「太輔 フフッ」



それからはよく一緒に遊ぶようになり。

お互いの家を行き来するようになったんだ。



“宏光:7歳”
“太輔:5歳”

後世での再会―

また、新たな恋が始まる。





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