テキストサイズ

枕営業~遥香はセックスを武器にした~

第9章 本條斗真の事情①

「そうか……よかったな」

問い詰めたり叱咤する
余力は残っていなかった。

胡桃が椎名佳祐と密会していた事実。

俺に子供が作れない事実。

受け止めるには重すぎた。

「佳祐と一緒にこの子を育てます」

愛しい眼差しを自分のお腹に送り
撫でる胡桃。

もちろんのことそれは
目にしたことがない光景だった。

「大丈夫なのか?椎名にはアリスが……」
「アリスとは別れています。佳祐と私が
こうなる以前から」

胡桃は最後まで謝らずに俺の元を去った。

それは恐らく俺の落ち度
愛人らの存在を察していたのだと
俺は悟った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ