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枕営業~遥香はセックスを武器にした~

第18章 本條斗真の事情③

ここで抵抗などしてしまったら
これまでしてきたことが無駄になる。

それにキスさえしておけば
楠田も満足だろうという思いもある。

エレベーターの扉が開いた。

エレベーターを待っている人の気配。

なんとなくカップルだと認識。

楠田が俺から唇を離すと
「あら。ごめんなさいね」と
先にエレベーターから出る。

カップルの女は呆然としている遥香だった。

声を掛けようにも気の利いた言葉など
何一つ見つからず
遥香と目も合わせずその場を去った。

結果として俺はまた
ひとりの女を傷付けた。

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