テキストサイズ

使命

第2章 自分の事


7月のある日、らいるは元気がなかったんだ

朝からずっとソファに座って一点を見つめてたの

俺らにはそれがなんでなのかわからなくて何も出来なかった
「俺らなんかした?」って聞いても首を振るだけで
「調子悪いの?」って聞いても同じだったんだよ

松潤がご飯を作ってくれて、「食べよ?」って言ってもその場から動こうとはしなくて

5人でご飯を食べた

その時ニノがね「もしかして誕生日とかですかね?」って言ってきた時はピンときたよ

俺らは社長にもらっていたらいるの基本情報を見返した

でも誕生日は9月だった




おもむろにらいるの隣に座って「何かあった?」って聞いたの。そしたら「今日…死んだ日…」ってすんげぇちっちゃい声で言ったんだよ。「お墓いかないの?」って聞いたら「行ったことない。今日で一年だから」って

らいるは棚の中から一枚の紙を出して見せてくれた
5人でそれを囲うようにして見た

そこにはお墓のある場所が書いてあった


「行ってみる?」松潤が言うとらいるは頷いた
それぞれ支度をしてお墓に行く途中お花とお線香を買ったんだ

水をかけお花を供え線香に火をつけて俺らはその場を退いた

らいるは手を合わせると眉間にしわを寄せながら何かを伝えてたの
その時間はすごく長くて、ここで初めてらいるは親をいらないとは思っていなかったことに安心したんだ

何分経った頃だったかな
らいるの目からは涙がこぼれた
これが初めて見たらいるの涙



この子は1人でこの苦しみに耐えていたんだ

立ち上がって涙を隠そうとするらいるを俺は彼を抱きしめたの「今日はたくさん泣いていいんだよ。俺らのこと気にしないで、気がすむまで泣いていいんだよ。」そう言ったら俺の腕の中で声を上げて泣いたんだ


これでいいって思った
まだ子供なんだ
親を必要とする年だから何も我慢しなくていい

ストーリーメニュー

TOPTOPへ