テキストサイズ

けだもの系王子

第2章  聖矢 、子犬系?














「聖ちゃんっ、早く起きてよっ、遅くなるでしょっ?」




喚き散らしながら、布団の中で眠ってる天使を容赦なく蹴る。




天使のような寝顔。





くるんとした長い睫毛。





雪のように白い肌。





ふわふわの癖毛は色素の薄い薄茶色。






女の子のように可愛い外見。






「う〜ん、もうちょっと……」





ごろん、寝返りをうち、軟らかそうな髪がはらりと睫毛にかかる。





妙な色気を放つ。





どきん、とするけど、男の子ですから。






「聖ちゃんっ、いい加減にしてよっ?」





掛け布団をめくる。





寒そうに小さくまるまって、可愛いいけどっ。





げしっ、腰を蹴る。





「いたい……、ひどいよ、さきちゃん?もうちょっとだけ……、もう、だめ?」





甘えるように、上目づかいにあたしの顔を見つめる。





「だめっ、時間がなくなるでしょっ?」






軽く睨みつける。






拗ねた顔をしながら、あたしに向けて両手を伸ばす。





「起こして?」






甘えた顔、おねだりポーズ。






はいはい。






両手を引っ張ってあげる。






ぎゅっと、抱き付いて来る。





意外と広い胸。





ふわりとした石鹸の香り。






「おはよー、さきちゃん」






はいはい。






背中をなでなでしてあげる。






あたしの胸元で頬擦りしている、聖ちゃんを冷静に引き剥がし、パジャマの上着をさっさと脱がす。






「……っ!さきちゃん?」






驚いたように大きめな瞳が見開かれる。






裸になった体に制服を放り投げる。






「はい、さっさと着替えて?」






聖ちゃんの顔が少し赤い。






「寒かった?」






言いながら、てきぱきと制服のブラウスを着せてあげる。





相変わらず、朝が弱いから、ぼぅっとした様子。






「もう、早く着替えてよ?」






パジャマのズボンに手を掛けようとして、






「ん?なんかある?」






なんか固いモノに触ったような……。






ストーリーメニュー

TOPTOPへ