
好きになったらダメだよ
第4章 大人って大変だね?
伊都は最寄り駅まで迎えに来てくれていて、そのまま手をつないで家まで帰った。
正しくは半ば無理矢理、伊都がつないできたんだけど。
でも伊都の細く骨ばった指が心地良くて、離すことができなかった。
背の高い男の人って、どうして手が綺麗なんだろうと、しみじみ考えたりなんかした。
「飲み会、楽しかった?」
「うん、まぁまぁかなぁ……」
橘に絡まれて、暑苦しかったと言うことは、伏せておこう。
伊都にこの関係がバレてることを伝えて、もし切れてしまったら……
想像したら、彼に全てを話すことができなかった。
