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好きになったらダメだよ

第6章 最低同士だからいいんじゃない?

保は部屋にあげてくれると言ったけど、私は玄関先でいいと断った。


もちろんそんなこと言うのは初めてで、空気はピンと張り詰めていた。


「なに?愛莉?どうかした?」


保が手を伸ばして、髪に触れてこようとしたけど、その手も邪見にならない程度に払いのけた。


「別れてほしいの。」


「マジで言ってんの?」


「うん。」


視線はシカと保を見つめるようにした。


俯いて逸らしたら、自分の決心が鈍るような気がしたから。



「私、他の男とエッチしてる。」



「はあ!?」



話の筋が理解できないと言いたげに、保は眉間に皺を寄せる。


自分だってそうでしょと言いたくなったけど、そこはグッと堪えて、ただ淡々と話を続ける。

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