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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第13章 ちーちゃんの夏休み♡partⅤ♡






それからいろいろ考えるのもくたびれたオレは、しかたなく刺客とされた瑠美のお守りに買い物やら食事やらあれやこれやと付き合わされ、

シラフで酔っ払い相手に、歴代の振られたオトコの愚痴を延々と…

って、あのオンナはオレをいったいなんだと思ってんだよ!!やれモデルだ、やれ芸能人だって身内にまでプライベートで特別扱いされんのは御免だが、もう少しなんかちょっとあんだろうが。けど…あぁ、そうか。その前に求める相手が間違ってた。


「香水クっサッ…」


ホテルの自分の部屋に戻るや否や、即座に赤の他人の移り香が着いた服を脱ぎ捨てた。

大嫌いなオンナ物の香水の匂い。

ったく、どんだけ付けてんだよ…

思わず顔をしかめると、それに引き換え唯一受け入れられる千隼の匂いが無償に恋しくなった。

人工的でドギツくない、みずみずしい桃とかフルーツの弾けるような柔らかくて透明感のある甘い香り。

思わず腕に閉じ込めてずっと離したくなくなるような、そんな彼女の匂いが欲しくなって、無意識にそれを探してしまっている自分に思わず渇いた笑みが漏れた。


「変わったな…オレ……」


"それにしてもアナタ、変わったわね…"


そこで不意に口にした言葉と、さっき食事中に瑠美に言われた言葉が頭のなかでぴたりと重なる。





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