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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第3章 バレンタインの事情♡その②








誰かひとりを想うことがこんなに余裕がなくて苦しいことだなんて…

誰よりもモテるオレとしたことが笑っちゃうくらい誤算も誤算。


「…ッ…はあ…」


快楽と切なさの狭間で、汗と涙でグシャグシャになった彼女の顔を眺める。

もう誰も触れられないように、いっそこの腕のなかで壊れてしまえばいいのに…

徐々に彼女を貫く旋律を早めながら、鎖骨や肩に色濃く残る他のヤツが彼女を抱いた証をオレは指先で辿った。

すると、彼女の唇がなにかをオレに伝えようとしているのに気がつく。


「…………」

「あぁ…」


すぐになにを伝えようとしているかは察しがついた。

オレの指先が擽ってるのは、恐らくナギのつけた一番新しい噛み痕だ。


他のオトコの名前なんて…本当は…


「…呼ばせるわけないでしょ」

「ん…う…ッ…!!」


そんなの言わなくたって、失神するほどイカせてあげるのに…


彼女の言葉を遮るオレの唇。

言葉も喘ぎも吐息ごと絡めとるように唇を重ね、甘い口内を犯すように舌を絡ませる。

オレたちを繋ぐ透明な糸が希薄で澄んだ冬の光で銀色に光っていた。

ガクガクと揺れる腰を引き寄せ、持ち上げながら猛る熱で最奥まで掻き回せば、鼻から抜けてくぐもっていた悲鳴が、すぐに唇の隙間から溢れだす。


「は…ッ、あ!!あお…ッ…い…」

「もっと…」

「ひ…ッ…あ、あぁ…ん!!」

「はあ…もっと呼んで…」




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