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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第2章 バレンタインの事情♡その①






ダメ!?って、そんな声でそんな聞き方されたら、アタシが断れないの知ってるクセに…

超モテオトコの甘い甘い誘惑。

自分の持ってる武器を理解したうえでフル活用して迫ってくる葵くんは本当にズルい…


「ね、行こ…」

「ふ…ん…ッ…」


熱くなった耳や首筋に柔らかな唇を落とされ、ピクンと肩が跳ねる。


「はぁ…今すぐこの鎖骨にかじりつきたい」

「んん…ッ…!!」


ニットワンピースの首もとから手を差し込まれ、鎖骨を撫でるその指先の感触に背中がゾクゾクしてか細い声があがる。

アタシを包み込む葵くんの香り…

吐息が悪戯に耳を擽る。

楓という存在がありながら、いつの間にやら彼らに対するガードが甘くなってしまってるアタシ。


「…抱きたい」

「ぁ…っ…ん」


いや、ごめんなさい、嘘つきました。甘いというか、もはや…皆無です。

故に、いつもあっという間に彼らのペースに持っていかれてしまう。

実際に今ももうすでに時遅し、完璧に葵くんのペースだ。


ヤバ…い

そんな声で、しかもそんな風にストレートに言われたら…

キュンキュンし過ぎて、アタシの心臓いくつあってももたないよ。


「葵…く…」


でも、そろそろ…

良いのか悪いのか、そんなアタシの予感は的中するのだ。


「たっだいまぁー♪」

「───!!」


明るい声がしてリビングの扉が開いたと思いきや、とうっ♪と妙な掛け声に次の瞬間、耳に届く葵くんの悲鳴。







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