テキストサイズ

理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第12章 智也の事情~専門学校①~

「あれ?成宮くん?」

待ち合わせの場所で楢橋が立ち尽くしていた。

「あいつ急な予定があって来れないらしい」
「そうなんだ。成宮くんがそれを私に伝えに?
ありがとね」

楢橋はドタキャンを喰らったというのに
怒るどころか俺に礼まで言っている。

理佳だったら血相変えて怒るだろう。

「そういうこと。じゃ、俺はこれで」

帰ろうと背を向けると「成宮くん」と
楢橋はか細い声で俺を呼びつけた。

「一緒に食事でもどうかなと思って。
あ……でも嫌だったらいいの。ごめんね」
「嫌とかそういうのじゃないけどさ」

そう言われてしまうと断ってしまうことを
申し訳なく感じてしまう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ