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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第12章 智也の事情~専門学校①~

俺が会計を済ませ店の外に出ると
楢橋が俺に金を渡す素振りを見せた。

「いらねぇよ」

楢橋との食事はこれが最初で最後。

たった一度きりなら奢ってやってもいい。

「でも……」

楢橋は几帳面に小銭まで用意していた。

「大した額じゃねぇから」
「だったら……次は私に奢らせて。今日は
有り難く御馳走になります」

楢橋は深々と俺に御辞儀をした。

それよりも次って。

今さら割り勘などと口にすることを拒んだ。

「じゃ、それでいいよ」
「ぅん。あ……それと私を成宮くんの友達
第一号にしてほしいな。いいでしょ?
食事する仲だし」
「勝手にしろ」

俺に初めて『友達』という存在が出来た。

楢橋の一方的だが。

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