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「ごめん……これから用事が……」

智也くんからの誘いを初めて断った。

智也くんに初めて嘘をついた。

「じゃ、しゃーねぇな」

私の用事を尋ねもしない。

智也くんは私に興味があるのか
いつも半信半疑。

それが唯一不満な所で不安な要素。

「男の人に会いに行くかもよ」

智也くんが着ているパーカーの袖を摘まむ。

「自分で言うくらいなら、それはないだろ」

智也くんが引き留めてくれたら
篠田くんに会わないつもりだった。

「バレた？えへへ。家の用事だよ」

智也くんは私の切なる想いを棒に振った。