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待ち焦がれていた言葉。

欲しくて欲しくて堪らなかった言葉。

「智也……」

素直に受け入れようとした。

だが……

「お待たせぇ！区役所にしては
綺麗なトイレじゃん！」

まるでこのタイミングを
見計らっていたかのように
美鈴がトイレから戻ってきた。

「じゃ、そろそろ行かなきゃ。初出勤の理佳を
遅刻させるわけにはいかないから」

智也と私の間は美鈴によって遮られた。

後ろ髪を引かれる想いで
中区役所を後にした。