無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

わざとらしく困った様子で
岩場の陰を覗き込む私。

「えぇ？それって私とお揃いの？」

それは以前、美鈴からプレゼントされた
お揃いのライター。

「ぅん……どうしよう……すごく気に入ってた
のに……ごめん……美鈴……」

とりあえず泣く。

「取ってきてあげるよ。ちょっと待ってて」
「え……いいよ……悪いよ……また同じの
私が買うからさ」

更に申し訳なさそうに泣く。

「ダメダメ。それじゃ意味がない」

さすが……どうでもいい正義感を
振りかざす美鈴。

そうなのよ。

ここでライターを拾ってもらわなきゃ
意味がないのよ。