私の熊
第6章 熊さんさようなら
久々に話すから緊張する。
そう思いながら掛かって来るのを待っていた。
チロリン♪チロリン♪チロリン♪
久々に聴く着信音。
それに出た。
「.....」
いきなり沈黙から始まった。
何かを話さなくては。と思い何かを考える。
そしていつも通りにと、
「もしもーし」
と、言うと。
「ばあん!」
このやりとりが久々に感じる。
それは多分私だけなんだろうなぁ。
「かなこ。僕の家にね何か怪しい封筒が...」
はい、これは多分私が贈ったクッキーの事だろう。
「怪しくない!」
と、言いながら笑ってしまった。
「どうだった?食べれた?お腹壊してない?」
「えーそんな、めっちゃ美味しかったですよ」
めっちゃ美味しかった。
その言葉が聞けてホッとした。
「それなら良かった」
「ありがとね?」
感謝の言葉をもらい、小さくいえいえと言った。
そしてまたもや話す話題を探す。