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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

 なるほど……とは、思ってはみたものの、なんの解決策もないのよ。


 わかる。言ってることはわかる。実を言えば、薄々は気が付いてはいたよ。


 でも、出来ないからスルーしてたんだよ。


 ちょっと待て、話を戻そう。


 てか、やつの言い分に丸めこまれたけどさ、僕を含めて他のやつも、大事なショーをめちゃくちゃにされてるわけよ。


 しかも、いろいろと手の込んだことしてさ。


 やりすぎっちゃ、やりすぎだよ。


「じゃ、春坂くん。あなた、今日限りで契約解除させてもらいます」 


 会長が判決を言い渡した。


 一瞬、弱ったなって顔をしたが、やがて「おい、みんな!! 俺に付いてきたいやついるか?」と言った。


 だが、誰も手を上げなかった。


 ここにいるから、みんなマジシャンとしてやっていけてるんだ。


 ラリ夫に付いていくってことは、ここをやめるってことだもんな。


 僕もせめて、もう一度大きな舞台に立って成功させたい。


 費用を貯めて、ラスベガスに行きたい。


 会長は、今回の件で近々、民事訴訟おこしますと言った。


 ラリ夫はジッと会長の顔を睨んだあと、その場から去っていった。



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