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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第4章 お父さんのお土産と西くんからのプレゼント

 そのマジックトランプには、それを使って出来るマジックが何種類も説明されているミニブックがついている。


 これがまた、自分でやってみると、なにが不思議なのかわからないが、相手に見せると、効果抜群。素晴らしいリアクションがいただける。


 やはり、種を知ってしまうと不思議さが無くなるのは仕方がない。


 だが、みなさんに不思議を提供出来る。ま、当時はそんなこと考えてなかったでしょうけどね。


 それからと言うもの、学校が終わると、自転車に乗っていつも通っていた。


 売られている道具を眺めているだけで、楽しいのだ。店員さんはいつも笑顔で迎えてくれた。


 たぶん、「また、来たわ、このガキ……毎日毎日、商品を買いもせんと、何しに来てんねん」と、思っていたかもしれない。


 だが、僕も考えるようになってきた。


 お客さんが近寄ってくると、端に寄るようにした。


 邪魔はしてはいけないと思った。


 だが、少しお小遣いがあると、買いましたよ。


 500円とか、その値段で買えるものばかりだけどね。


 僕がその値段で欲しかった物が、1つありましてね、タバコのマジックなんです。


 空中から、タバコを掴んで、手の中に押し込むと消えてしまう。


 20歳になったら、絶対買うぞと決めてました。



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