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僕らはずっと…

第9章 電車



「大丈夫?」


柊が私の顔をの覗き込んで聞いてくる。




あ、無意識のうちに柊の袖を握っちゃってた。



「何でもないよ。大丈夫。」




「そっか。無理するなよ?」





「うん。」




柊はすごく心配そう。心配ばっかりかけちゃうなぁ。

しっかりしなきゃ。








「…春、今、心配ばっかりかけちゃうな。って思ったでしょ。」






「え。えっ。なんで分かったの?」




あ、認めちゃった。



それにしても




「すごいよしゅう。なんでわかったの??マジシャンなの??テレパシー?」




私の心わかっちゃうなんて。すごいすごい。

気をつけないと心読まれちゃう。






「ハハッ違うよ。


こんだけ長く一緒にいたら春の気持ちだいたい分かるの。」





柊が笑顔で答える。その言葉がなんだか嬉しい。




「そうなんだ。それなんか嬉しいね。」




柊を見て笑う。


柊が照れたように目をそらした。





「春。」




「なに?」




「無理しなくていいからな。心配いっぱいかけていいから。

春が無理してるの見るより全然いい。」





どうしよう。涙でちゃう。


柊はどうして私の欲しい言葉をくれるの。
そんなに優しいの。



私はずるくて弱虫なのに。






柊はいつも私の心を溶かしてくれるね。











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