ARS*ヒミツノコイ*
第4章 風邪ひきさん
次の日
「…、んぅ、あれ、朝…」
いつの間にか熱も下がり、体のだるさもなくなったみたい
起き上がろうとして右手の感触に気付く
和也…
和也が私の右手をギュッと握りながら、わたしの隣ですやすやと眠っている
「ありがと、和也…」
「ほんと、感謝してもしきれないと思うよ?友香」
急にぐっと右手が引き寄せられたと思ったら、和也に抱きしめられた
「か、和也?起きてたの?」
「起きてたも何も、最初から眠ってすらいませんけど」
「え!?徹夜!?」
「好きな子が隣で無防備に寝てるだけで理性ギリギリなのに、素直に甘えてくるとか拷問ですよ拷問」
そういえば昨日の夜…
風邪による独特のさみしさゆえに和也にかなり甘えてた記憶がうっすらと蘇る
「今日、俺仕事午後からなんだよね」
「は、はぁ」
「友香も、午後からだよね?」
「待ってそんなこと一言も言ってない」
「昨日はあーんなに可愛く甘えてきたのに、冷たいやつ」
「…!ん、ぁ…」
強引にされたキスはいつもの余裕たっぷりのキスじゃない。
口の中は熱くて、本能的で、ぐちゃぐちゃにかき乱される
和也がわたしを求めていることは明らかだった
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