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Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第6章 死神



手術から一夜明け、狛犬さんは目を覚まし、絶対安静で1週間入院することになった。


二宮「ハァ…ったく…無茶しやがって…」


狛犬「あははっ!ごめんごめん!」


聖輝「狛犬さん…本当にごめんなさい!!」


狛犬「いいっていいって!気にしないで!」


聖輝「…あの…これ、唐揚げ弁当です。」


狛犬「やったぁ!!マジで?!いっただきまーす!!」


二宮「お前…腹切られたのによく食べれるな…」


狛犬「えへへっ!唐揚げは特別だもん!」


二宮「あっそう…」


聖輝「……魔王…カッコよかったな…」


二宮「は?魔王?」


狛犬「そうそう!俺さ、ついに魔王見ちゃったんだよね!」


二宮「えっそうなの?」


狛犬「うん!何かね〜黒髪で目が大きかった!」


二宮「……。」


聖輝「あと、やっぱりあの時計してましたよ!」


狛犬「あぁ!カメレオンのやつね、してたしてた!」


二宮「もしかして…魔王が助けてくれたの…?」


聖輝「はい!もう一瞬でしたよね!」


狛犬「そうそう!一発KO!」


二宮「あの魔王が人助け…はっ、気が狂ったか…」


聖輝「魔王ってみなさんが恐れてるほど悪い人じゃないですよ。」


狛犬「俺もそう思う!あの時はマジ助かった〜」


聖輝「僕も…魔王がいなかったら…殺されてたかもしれない…」


狛犬「そうだね…魔王に助けられたね…」


聖輝「はい…」


二宮「……俺は信じない。」


聖輝「え?」


二宮「魔王は誰もが恐れる存在…その姿を見ただけで気を失うほどの覇気を持っている…」


二宮「姿見たやつは誰一人助からない…すべて魔王によって壊される…そんな奴が感情移入する訳がない…!!」


狛犬「ニノ…」


二宮「…偽物だよ…そいつ…」


聖輝「…偽物でも…あの人はカッコいいです…」


聖輝「ピンチの時に助けてくれて…いつの間にか姿を消す…まるでヒーローのような人です。」


狛犬「ヒーロー…」


二宮「…そう…」

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