テキストサイズ

Beast 〜獣たちに好かれた僕〜

第8章 小山さん




聖輝「……。」

あの人…誰だったんだろう…

めちゃくちゃケンカ強かったし…見た目もチャラかったし…

聖輝「もしかして…さが高の人なのかな…」


〜♪♪♪


聖輝「あっ、電話だ。」


ピッ


聖輝「はい、もしもし。」


『聖輝?俺…光樹やけど…』


聖輝「あっ…光樹くん…?」


光樹くんは僕の中学の同級生。


幼なじみで一番仲良かった親友。


光樹『ごめんな、急に連絡して…大丈夫か…?』


聖輝「うん…大丈夫だよ…」


光樹『そっか……』


僕の両親が亡くなってから、光樹くんとは一切しゃべることなく僕は引越しをした。


引越ししてから光樹くんとは初めてしゃべる。


光樹『えっと…あっ新しい学校はどう…?』


聖輝「えっ?あっ…うん、楽しくやってるよ。」


光樹『そっそうなんや…よかった…』


聖輝「光樹くんは?学校楽しい?」


光樹『おう!サッカー部に入ってんけど、めっちゃ優しくて頼りになる先輩ばっかりやからやりがいがあるわ。』


聖輝「そっか…いいね…」


光樹『…お前…一人暮らしなん…?』


聖輝「うん、でも時々お父さんの知り合いのおじさんが様子見に来てくれるから…」


光樹『そうか…思ってたより元気そうで安心したわ…』


聖輝「…ごめんね…全然連絡もできなくて…」


光樹『いや、俺の方こそ…何もしてあげられへんくて…ごめん。』


聖輝「ううん、光樹くんのせいじゃないから…」


光樹『…なぁ…連休の時そっちに遊びに行ってもいい?』


聖輝「えっ?」


光樹『いや、お前が住んでるところ見てみたいねんよ…』


聖輝「光樹くん…」


光樹『あっ、嫌やったらええねんけど…』


聖輝「…ううん、僕光樹くんと会っておしゃべりしたいから遊びに来て。」


光樹『えっ本間に?本間にええん?』


聖輝「うん、光樹くんに会いたいから…」


光樹『聖輝……ありがとう…』


久々に親友の声を聞いた。


懐かしくて暖かくて…すごく落ち着いた。


光樹『じゃあ、そろそろ切るな。』


聖輝「うん、また連絡するね。」


光樹『おう、じゃあな。』


聖輝「うん、バイバイ。」


ピッ


聖輝「……光樹くん……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ