箱……漆
第2章 携帯
プルル―――――…プルル…
「――――――…ん…?」
仏壇の前で寝てしまった俺の耳に――――――…
聞きなれない音が………届く…
俺以外誰もいない家に――…
何故かその音は…
静かに…存在をアピールする…
「―――――…携帯…?」
プルル―――…プルル…プッ……
「――――…切れた…」
俺の携帯ではない……
聞きなれない着信音……
「―――――…香…の部屋?」
音が鳴り止み―――――…
耳に…残音が…溜まる…
俺は、仏壇の部屋から…ゆっくり…荷物を雑に入れただけの香の部屋に向かった――――…